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2012年12月発行、双文社出版、本体価格:4600円
ISBN978-4-88164-614-4
概要
遠藤周作という作家が、「中間小説」というジャンルをどのように自身の文学的テーマと結節させたか、いいかえれば利用したかを探った論、「中間小説論−書
き分けを行う作家」を収載している。本研究事業の有す問題意識の「原型」が垣間見える論であるが、この段階では、作家遠藤周作から、という限界があった。
その旨は巻末に付した「遠藤周作「中間小説」リスト」の「補足」でもって付記しており、本研究事業との連関についても記してある。(2013年、笹淵友一記念日本キリスト教文学会賞受賞)
目次 Ⅰフランス留学と時代
遠藤周作の留学
遠藤周作とサド
Ⅱ遠藤周作を歴史化する試み
「中間小説」論
遠藤周作作品と語り手
遠藤周作作品における家族
Ⅲカトリックの変容
「遠藤周作論」を再構築する
『火山』と『おバカさん』
『沈黙』と時代
Ⅳ変遷する時代と移りゆく救い
「それぞれ」の救い、「宗教的なるもの」の文学
遠藤周作と二〇世紀末の宗教状況
遠藤周作と仏教
大江健三郎『燃えあがる緑の木』
遠藤周作「中間小説」リスト
双文社出版の紹介ページ
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